kitaabooksの雑記林

どこにでもいる大学生が読書感想文を書くのであります。

動物農場

ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読みました。ジョージ・オーウェルの代表的なディストピア小説ですね。

 

 

 

 

どんな話?

悲惨で隷属的な生活を脱しようと、動物たちは農場主を追い出し自分たちだけの農場を作り上げていく話です。とはいってもこの動物農場は「すべての動物は平等」という崇高な理念を掲げながらも、結局は人間に支配されていたのと同じくらい酷い時代に逆戻りしてしまうのです。

そしてこの作品は全体主義への皮肉を寓話に落とし込んだ作品だとされていて、登場人物/動物が実在する人物と対応しています。

 

感想

動物農場はどこで道を間違えたか、思いつくままに..

一つ目は理念を掲げる者が何もせず亡くなったから。冒頭に老豚は「すべての動物は平等」という高い理念を打ち出したまま亡くなります。 この段階から理想郷の設計図が老豚の手から離れてしまう危うさがあったわけです。言い換えると、老豚は動物を煽動しただけでなにもしなかったため、老豚が提唱した通りの世界が実現する保証はなくなったのです。

 

二つ目は豚以外の動物が不満の声をあげなかったことです。動物たちは農場の規則が少しずつ変えられていることに気付きはしますが、結局それを受け入れてしまいます。どんどん豚たちの都合のいいようになりました。

大衆は違和感を覚えたら声をあげることが必要だという教訓が含まれている気がします。

 

この本を読んで得た教訓 

物語で頭の良い動物とそうでない動物の棲み分けがされています。

 

頭の良い豚は知的労働、それ以外は読み書きがまともにできないので肉体労働に従事しました。一見能力の差による分業かと思えばたちまち豚が権力を持ち支配と被支配という関係ができあがってしまうのです。

 

人間に落とし込んで考えた時、(頭は良し悪しは置いておき)教養をもつこと、批判的な目で権力者を監視することが重要だと思いました。

権力者を批判的に監視しなければ、権力者は高をくくって都合のいいことをし始めるでしょう。そして民衆に基礎的な教養もないと人々は自分が損をすることがなされているのだとも気づかないでしょう。

 

終わりに

童話を読んでいるような優しい語り口調だったのに、読んだ後味が悪い笑

これぞディストピア小説というところでしょうか。面白かったです。

 

また何か読んだら更新しますね

ではまた~