メディアはマッサージである ー影響の目録ー
表紙のインパクト、タイトルの意味のわからなさから買って読んでしまいました笑
- 作者: マーシャルマクルーハン,クエンティンフィオーレ,加藤賢策,Marshall McLuhan,Quentin Fiore,門林岳史
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: 文庫
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著者のマーシャル・マクルーハンは独自のメディア論で1960年代に旋風を巻き起こしたカナダの英文学者、メディア、文明批評家です。
どのページも写真がページいっぱいに使われており、文字も単語フレーズのものから長文までデザインされています。そのため文字を読み写真とつなげながら解釈していく必要があります。
少し難しいですが、一通り自分で解釈してから巻末に収録されている解説を読まれることをお勧めします。
読んでいくと今私たちを取り巻く情報社会を予言したとも言える内容となっています。メディアが人間にとって、社会にとってどんな作用を引き起こすかということです。
「......マッサージ?」 「そのとおり!」
本のタイトルの時点でハテナマークが浮かんできますが、
マッサージは人を内側から変えていき気持ち良い気分にさせるもの。そしてメディアというマッサージが人を内部から変えると、社会などの環境も変わっていくということなのでしょう。
また情報伝達が加速していき、情報は絶えず自分の体内に入ってくるのを拒めないと著者は言っています。目は閉じると視覚情報が入ってくるのを拒むことができますが、聴覚情報は嫌でも耳に入ってきてしまいます。
そしてメディアは人の感覚の拡張であると。例えばテレビは多くの人の目の代わりとなったのです。どこかで起きている問題を現場に赴かずともテレビを通して経験できるようになる。画期的なことです。
メディアによってどんどん世界が変化する。これを止めることはできないというのが当書の伝える事だと思います。
情報化が進むのが良い悪いかの話ではなく、あくまで当時の理論だったということです。というのもこの理論の根拠が示されていませんから。
時代の変化
とは言え、時代の変化についてヒントとなる言葉が散りばめられています。
「危険を孕んでいることが未来というものの務めである」ーA・Nホワイトヘッド
「過去はあっちに去っていった。まったく新しい状況に直面すると、われわれはいつも、一番近い過去や事物や様式にしがみつくものである。」
何か新しいことを受け入れるには、自分の考えや枠組みを変化させることが必要なようです。だからこそ不安や危険が伴うだろうし、過去に安住している方が楽でしょう。しかし現代は環境が常に変化する。「過去にしがみついてはいられない」と見切りをつけて、新しい状況もオープンマインドで受け入れたいものです。
今回も読んでいただきありがとうございます!
ではまた~