八十日間世界一周
今度は友達からすすめられたものを読んでみた。
友人からの助言をもとに本を読むと自分の趣味や傾向では手に取らなかったような本に出会えるのでたまに聞いたりする。
SFの父とも称されるジュール・ヴェルヌの作品。『八十日間世界一周』である。
イギリスの貴族フィリアス・フォッグはいつものカードゲーム仲間と自分の財産を賭け金として、80日間のうちに世界一周は達成できるのかを賭ける。そして彼は下男とともにロンドンを出発しその旅路で壮大な冒険を繰り広げるという話である。
道中にどんな苦難があろうともフィリアス・フォッグは必ず間に合わせてみせるといわんばかりの毅然とした姿勢で乗り越えていく。正しく彼は鉄なのである。
そして、いちいちトラブルに遭っても、彼はそれを気にとめたり文句を言ったりせずに金や頭脳でスッと解決してしまう英国紳士っぷりを見るのは実に快い。
「すごいなあ!すごいなあ!新しいものを見ようと思えば、旅行するにかぎるってことが、ようやくわかった」
(創元SF文庫 pp.80より)
停泊した地で様々な国からやってきた人をみた下男の純粋な気持ちこの台詞、とても気に入った。
やはり目を見開くような発見をして感動することは実際に見ないと分からない。
私はそれが今も変わらないと思っている。
実際、人は、それほどの大きな利益がなくても、世界一周をするのではなかろうか?
(創元SF文庫 pp.363より)
最後の一文。旅への憧れっていうのは好奇心やそんなもので十分なんだろう。
この本は冒険というロマンを与えてくれる本だった。
良い本を紹介してもらったと思う。