kitaabooksの雑記林

どこにでもいる大学生が読書感想文を書くのであります。

文章読本(著:谷崎潤一郎) ②文章の上達法

 

前回に引き続き谷崎潤一郎の『文章読本』に文章を書く極意を学びます。

 

前回の記事はこちら↓

kitaabooks.hatenablog.com

文章の上達法

著者は日本語に明確な文法がないから、文法通りに書けていることが名文であるとは言えないそうです。名文たる正確な条件や定義もないなら、具体的な方法は文章への感覚を研く以外ない。そこで感覚を研くために以下の二つを挙げています。

  • 出来るだけ多くのものを繰り返して読むこと。
  • 実際に自分で作ってみること

全ての細かい意味に囚われずに読む。これを続けるとわからなかった箇所でもだんだん意味をつかむことができるようになる。こうして名文を味わい感覚が研ぎ澄まされていくのだといいます。

 

そして自分で文章を作ることをしてみないと経験値として文章の観察眼が養われないというのです。自分が物書きとしての苦労を経験すると的を射た批評を下すことができるのであって、文章を書いた経験のない批評家はそれがないから的外れであると。

 

文章の要素

本書の3章では用語、調子、文体、体裁、品格、含蓄という六つの要素について敷衍しています。

 

ここではどのような言葉や文末選びをするかなど数多く項目を立てて話していますが、結局は感覚やセンスに依るものが大きいのです。だから感覚を研き続けることが大事だと言うのです。

 

1章2章での話が基本的に前提や著者の理論の話にあたりますが、3章は例示を多用して様々なスタイルを紹介していてわかりやすいです。この六つの他にも文章の構成なんかも要素の一つに挙げられるかなと個人的には思いましたが、要素があまりに多くてあえて扱わなかったのかもしれません。

 

感想

著者は通俗的文章読本を目指したとありますが、著者が文章と向き合ってきた経験やその感覚をもってその都度感じ取ってきたことが理論となって集約されていると感じました。

 

例に挙げられた近代文学作品を著者はどのように受け取るか。

それを知った上でその作品を読んでみたら自分だったらどう評価できるだろう。

経験や蓄積のない私に語れる言葉はあるのかと思うとやはり言葉は不自由なのであります。

 

ますます感覚を磨く努力が必要でしょう。

 

読んでいただきありがとうございました

是非また読んでください

 

ではまた!