僕は君たちに武器を配りたい
今回は瀧本哲史『僕は君たちに武器を配りたい』です。
社会で生き抜く武器となる知恵を授けてくれる一冊です。
これから社会に出る若者へ向けた本ですが、社会人なら誰が読んでもためになる内容ではないかと思います。
まず社会の仕組みを知る
資本主義では「より安い」ものが売れます。
製品が世に出る
→その製品が珍しい、特別だから売れる
→同じような製品を安く作る会社が出てくる
→同じスペックなら安い方が売れる
かくして安い物は買いたたかれていく。人間にもこのような事が言えるわけでして、同じ仕事量の労働者であっても安い単価で働く方が雇用者にとっての需要が高くなります。
したがって社会で生き残るためには、安く買い叩かれないように「特別」にならなくてはならないというのです。
身につけるべき思考
では具体的に何が必要なのか。
「マーケター」の顔、「イノベーター」の顔、「リーダー」の顔、そして「インベスター」の顔をもつことだと言います。
市場を読んで商品を売る
全く新しい仕組みを創造する
起業して社員をマネージする
将来利益が見込めるものを見抜き、投資する
といったことだそうです。著者はそれぞれがどのような視点なのかを章を立ててより詳しく説明しています。やはり情報をどう扱うかという点が大事になってきます。 例えば、何が利益を生み出すか常にヒト、モノ、カネを研究すること。ランキングから将来のことは予測できない。などなど知恵が散りばめられています。
そして最後に著者はリベラルアーツを学ぶ重要性を強調します。基礎的な素養が社会の仕組みを理解して物事を判断する上で大事なのです。
昨今は社会が大学に実用性の高い力を身につけるように要請する動きもあるようです。しかし自分の学びたい、やりたいと思ったことを徹底的に突き詰めていくプロセスが社会でも使える「武器」となり得るのです。
投資家的な思考を受けて
読者を説得させる理路整然とした構成でした。
著者は現代を生き抜くには何が必要かを考えるために、まず資本主義という日本社会の大前提を分析しています。そこで社会の現状を「安いものが買い叩かれる社会」と分析しますが、逆に安く買い叩かれないためには自分に価値を付けるしかないと判断しています。欠点はむしろチャンス、そこに改善の余地があるとみる逆転の考え方であります。筆者の投資家的な発想がここに現れているのです。
問題の現状を分析し、どういったことが問題なのか掘り下げる。それを逆手にとった解決策を提示する。非常にわかりやすい流れでした。
現代では社畜といった言葉が生まれてしまうように決して働くことに前向きになれないような雰囲気を感じます。ブラック企業だとかありますし。だからこんな世の中だからこそ自分で自分を守ることの必要性は間違いなくあると思いますし自分の道を進むことがあっていいと思います。(大勢から外れた行動をとるという意味に聞こえるかもしれませんが、あくまで自己の判断に基づいて進路が選択するということです。)
いかがでしたでしょうか、社会に出る前にもう一度読んでみようかなと思います。それまではのせっかくの学生生活、やりたいこと突き詰めてやっていきたいものです。
読んでいただきありがとうございます!
ではまた!